中国 北京にある世界遺産、天壇公園(てんだん)をツアーで回った旅行記と見どころ

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天壇公園

中国北京にある世界遺産「天壇公園」を、ツアーで巡った感想になります。

日本旅行の「観る味る北京4日」ツアーに参加した母娘の旅ですが、3日目の午後に訪れた「天壇」はこの旅、最後の観光でした。

この日は午前中に「故宮」を観光して圧倒されたのですが、建物の赤&皇帝の色である黄色(五行色の”中央”の色)の屋根が鮮やかな、豪華絢爛でケバい故宮とは対照的で、天壇は屋根が黒っぽいせいか、全体的に落ち着いた佇まいでした。

「天壇」は紫禁城(故宮)の東南方向にあり、紫禁城の4倍もの敷地面積があります。

天壇公園で観光したスポットは、

  • 圜丘壇
  • 皇穹宇
  • 祈年殿
  • 七十二長廊
  • 七星石

天壇鳥観図

南門(昭亨門)↓から入場し、東門から退場するコースでした。

天壇公園の東門

東門のそばにあった案内板によれば、

「天壇」は明と清の皇帝が、天を祀り豊穣を祈った、祭祀のための建築物で、明の時代の1420年(4代目永楽帝の時代)に建築が始まり、現存の大部分の建築物は清の時代に建てられたものですが、その配置は明の時代のままなのだとか。

「天壇」の”壇”とは、「神様に祈りを捧げるための儀式を行う神聖な場所」という意味で、ここは神様のための施設になるため、天壇にある「祈年殿」の屋根は、最高級の格式である、3段(三層)になっているのだとか。

皇帝のお城である紫禁城(故宮)の屋根は2段(二層)でしたが、神様は皇帝よりも上だから3段、という事らしいです。

皇帝専用の特別な神殿で、長年、一般人は立ち入りを禁じられていたのだとか。

観る味る北京で回った「天壇公園」の観光コース

天壇と地壇の関係

天壇公園は世界遺産になったので有名ですが、天壇」の他にも、「地壇」、「日壇」、「月壇」など、北京には紫禁城を守るかのように、それぞれの方位に”壇”がありました。

皇帝は、季節に応じて”壇”の場所を変えて、神様に祈りを捧げていたようですが、「天壇」は冬至の日に訪れる”壇”だったようです。

ちなみに地壇公園(東北)は、天壇公園(東南)の対極にあるのですが、陰陽五行説では、「天=陽、地=陰」なので、天壇では階段や柱の本数などの建物全体が奇数で構成されていますが、地壇では逆に偶数で構成されているのだとか。(陽=奇数、陰=偶数だから)

随所に陰陽五行や、皇帝の数字である9の倍数にこだわって作られているところに感心させられます。王朝時代の中国では、陰陽五行の考えが政(まつりごと)の軸になっていたことが、深く感じられました。

今回のツアーでは地壇公園はコースに入っておらず、天壇と地壇の違いを比較することが出来ず残念でしたが、占い好きで学生時代に建築を学んだ私には、なかなか神秘的で興味深い建築物でした。

圜丘壇(かんきゅうだん)

丸(円)をテーマにした建築物が多いのに対し、「地壇」は四角(正方形)をテーマにしているらしいのですが、「天壇」の敷地は、南側が方形で北側が円形という、前方後円墳のような形をしており、〇と□がミックスされた形状になっています。

他にも円と方形を両方合わせた場所がありました。

南門から入ってすぐの場所に「圜丘壇(かんきゅうだん)」という、皇帝が天の神様に祈る場所だった、3層になった円形の壇があります↓。

圜丘壇は、塀で囲まれた四角いスペースの中に、円いスペースがあって、その中にありました。↓がコーナー部分。

皇穹宇のコーナー部分

これらは「天円地方」と言って、”天は丸く(円く)、地は方形(四角い)”という、昔の中国の宇宙感をそのまま表現しているようです。

圜丘壇の中心には、円形の大理石があって↓「円心石」や「大極石」と呼ばれているのですが、皇帝はここに立って、神に祈っていたようです。

この場所から声を出すと、かなり小声でしゃべっても声が響くのです!

天壇の円心石

「円心石」は皇帝以外は乗ることを禁じられていたゾーンだったので、バチでも当たらないかと冷や冷やしながらちょっとだけ乗って、「あ~」と一瞬だけ声を出してみたのですが、本当に声が響くことを体感しました。

ひゃ~~すごい!

中国の建築技術に、またまた感動!

皇帝はここで声を反響させて、天の神と交信したのでしょうか。”雨ごい”もここで行ったそうです。

かなり貴重な体験ができました。

皇穹宇(回音壁)

もう一つ、天壇には同じような建築物がありました。

↓は皇穹宇(こうきゅうう)という名の、明の時代に建てられた建築物で、祭祀の際に、皇帝たちの位牌が置かれた場所だそうですが、この建物も円い塀でぐるりと囲まれていて、その塀を「回音壁」と言うそうです。

皇穹宇

「回音壁」に向かって声を出すと、糸電話のように壁沿いの離れた人に伝わるという、不思議な建築物です。

残念ながらこちらは、壁に沿って柵が張り巡らされていたため、試せませんでした。柵は、落書きをする人がいるため、その対策なのだそうです。

↓が皇穹宇の内部。天井の細工が素晴らしいです。

天井

そして、故宮にもありましたが、1枚岩に龍の彫刻が掘られた皇帝専用のスロープ↓。実際は歩く訳ではなく、お輿に乗ってでこの岩の上を通り過ぎるみたいですが。

こちらはカバーがしてありました。

天壇の1枚岩のスロープ

祈年殿(きねんでん)

皇穹宇を後にして、祈年殿に向かいます。

広くて長い長い通路「丹陛橋」。暑い…遠い…

天壇 通路

ようやく門に辿り着く。

祈年殿の前門

まだまだ歩いて、門をもう一つくぐり、ようやくたどり着いた「祈念殿」。

三段の石の台の上に、三層の屋根の世界遺産天壇公園のシンボル的な建物です。清の時代に建て直されたもの。

天壇公園

祈念殿は、皇帝がお正月にお参りに来ていた建物なのだとか。

七十二長廊

祈念殿に供物を運ぶための廊下になります。

頤和園の長廊も凝っていましたが、こちらも素晴らしいです。明時代の建築物です。

長廊

このゾーンは高齢者だけは無料で入場することができるらしく、周辺住人の憩いの場になっていました。日陰で涼しい風が吹き抜ける中で、将棋のようなボードゲームを楽しんだり、おしゃべりしていました。

七星石(しちせいせき)

北斗七星と同じ配置で置いてある石だとガイドさんが。別の情報では、風水に従って置いた石だという説もありました。

七星石

今回のコースには入っていませんでしたが、この他にも、祭祀の際に、皇帝が宿泊して身を清めた「斎宮(さいぐう)」があります。

天壇公園ツアーの感想

天壇公園 壇への門

天壇公園の敷地は故宮よりも広いのですが、建物の数が少ないため、見どころは限定されており、2時間ほどのコースでも「時間が足りない!」ということはなかったように思います。

故宮と比較すると、観光客の数は圧倒的に少ないので、じっくりと見ることが出来ました。

以上。これから北京に行かれる方の参考になれば幸いです。

参考 北京旅行に関する記事は↓にまとめております。

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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