クリスマスの約束2001のセトリと、私の勝手な感想を書きたいと思います。
クリスマスの約束2001、2002、2003は、2018年12月1日より、動画配信サービスパラビで視聴できるようになりました↓
参考 「クリスマスの約束」についての記事は↓にまとめております。
目次
クリスマスの約束 とは
TBSで年に1回、クリスマスの辺りに放送されている、小田和正さんがホストを務める特別番組「クリスマスの約束」は2001年から続いている人気番組ですが、つい最近になって小田さんのファンになった私は、番組の存在すら知りませんでした。
15年以上も続いているのにね
で、過去の番組をyoutube等で必死に探しましたが見つけられません。
この「クリスマスの約束」から派生して、2004年にレギュラー番組化された風のようにうたが流れていただけはDVD化(Blu-ray化)されていたので、それを購入して見てみると余計に2001年~の番組が見たくなってしまいました。
どうしても諦められなくて、TBSにも問い合わせましたが、今後もDVD化される予定はないみたいで…
それが、何と!
幸運にも小田友さんを通じて、全作品を見ることが叶いました
さすがにネット上にアップすることはできませんが、世の中にはこの映像を見たい人がたくさんいると思うんです…きっと。
で、番組を見たことがない人に向けて、雰囲気だけでも伝わるように、セトリ順にかいつまんでご紹介したいと思います。
第1回目の放送「クリスマスの約束~きっと君は来ない~」本当に誰も来ない
2011年12月25日深夜に放送された「クリスマスの約束~きっと君は来ない~」は、番組放送終了直後から再放送を望むたくさんのメールや手紙が届き、数日後にラジオで放送され、翌年2月16日に再放送されたそうです。私が見たのはこの再放送の映像です。
まずは小田さんの歌が、ピアノでしっとり始まります。
言葉にできない
そして「この日のこと」という、この番組のために作られたテーマ曲をバックに、斉藤由貴さんのナレーション(赤字で表示)が、この曲を制作した時のシーンや、番組のテーマ曲を一緒に歌った大勢のアーティスト達のVTRと共に流れます。
ただひたすら自分の道を歩んできた一人のアーティスト。ずっとずっと心に閉まっておいた想いを、この曲に託しました。(「この日のこと」のスコアが映ります)それは同じ時代を生きた、アーティスト達と共にステージに立つこと。ずっと犬猿の仲と言われてきたあの人、一度も会ったことがないヒットチャートの常連たち。彼にとってすべてが新鮮であり、また苦難の連続でもありました。自分のわがままを理解してくれる人はいるのだろうか?コンサートは成立するのだろうか?アーティスト小田和正の新たなる挑戦です。
2001年10月5日。小田さんは7人のアーティストに直筆の手紙を書きます。その中には、ずっと犬猿の仲と噂されていた人もいました。
突然勝手な手紙を出す無礼をお許しください。
TBSから現在あるものとは違う音楽番組をやらないかという打診があって考えました。この国で僕らのような音楽をやってきた者にとって、今大切なことは一体何だろう…。で、思ったのです。それは同じ時代を生きて、音楽を作ってきた人達を認め、愛し、尊敬することなのではないだろうかと。
偏見を承知で非難を覚悟の上で、無数にある名曲から、一方的に7曲を選びました。時代を作ってきた素敵な音楽たちを。で、あなたの曲をその1曲に選ばせてもらいました。
ここからが本題です。この曲を一緒に演奏してもらえないだろうか、というお願いの手紙だったのです。これは、あいつがダメだからこいつ、という企画ではないし、もし、残念ながらあなたの不参加が決まったら、自分一人で演奏するつもりで臨んでいます。
アーティスト同士が直に触れ合うことで進んで行ける場所がある。音楽としても、音楽という文化の確立に関しても。僕はそう信じています。それが観ている人に伝わるように、全力を尽くします。もちろん出演を断られたとしても、あなたに対する尊敬の気持ちは、いささかも変わることはありません。
小田和正
そして、犬猿の仲だった人からの返事が届きます。
前略 小田和正様。
ご丁寧な直筆のお手紙を頂きありがとうございました。
番組に対するご趣旨は十二分に理解いたしておりますが、いかんせん、これまで私はTVの番組と言うものに一度も出演したことがありません。もともとご縁がなかった上に、キャリアが加わって、今更どうにもなりません。
小田さん始め、諸先輩が、今なお堂々たる現役としてご活躍されていることは、私のような者にとりましては、大きな励みであり、また、目標でもあります。
もともとこの曲はオフコースに触発されて作ったものです。青山のアパートの1階がオフコースカンパニーで、2階に私の所属事務所があった時代です。バンドで挫折した私にとって、オフコースはかなり重要なライバルで、敵がバンドのコーラスならこっちは一人で!とか、そう言ったしょうもないことを、若気の至りでいろいろと考えたものでした。
長い時を経て、小田さんにこの曲を歌っていただける時代になったとは、本当に感無量です。心よりお礼申し上げます。
この手紙を読んだ小田さんは、目をウルウルさせながら話します。
時を超えて、達郎が、この歌を歌ってくれるのは感無量だったという…なんか、憎しみ合ってるっていうとこもあったからね…(番組に)出たと同じくらい価値のある手紙だと思うよ。
手紙を送った7人のアーティストの内の一人が山下達郎さんであり、出演は叶わなかったことは分かりましたが、その他のアーティストが誰なのか、小田さんがどんな曲を選んだのかは、明かされないまま番組が進みます。
お待たせしました。結論から言いましょう!今日は誰も来ません!
会場、え~~!?
結局、7人のアーティストは誰も出ない!ということが冒頭で明かされます。で、代わりに彼らの曲を、全部、自分ひとりで歌うと。
彼らは約束されても困るかと思うんですが、「(あなたが不参加でも)僕が一人でも歌う!と言った約束を守るよ」と言う、これが”クリスマスの約束” なんですよ。(パチパチ)なんか、強引な感じもしますけど、それはそれで素敵かなーと思います。
なるほど、これが番組タイトルの所以ですね。
普段、カラオケにも行かない小田さんが、初めて人の歌を選ぶ作業を行って、歌ってみたら貴重な発見をし、感動もして、当日彼らが見てくれたら喜んでくれるように、丁寧に歌うと。
で、やっぱり曲名やアーティスト名を明かさずに話は進みます。
そして1組目のアーティストのエピソードを、小田さんが話し始めます…
僕はこの曲が好きで何度かステージで歌ってるんですけど、別の局の仕事で2度ほど彼らに会ったことがありまして、僕は、会う前とそれから会った後、彼らに対するイメージと言うのはこの曲のまんまでしたね、それがあいつらにとって嬉しいことかどうかはわかりませんが、この曲は青春群像を非常に巧みに表現しているなとつくづく思いました。こんな曲が書けたらいいなと自分でも思うくらい、よくできてると思います。この歌から伝わってくる彼らのその青臭い感じが僕はとっても好きで、まあ、そういうとこが嫌いな人もいると思うんですけど、そいう人はたいてい、多分、高校野球とか嫌いで、僕は高校野球のあの一途な感じが結構好きなんです。
「彼ら」って言うからには、グループ?バンドかな?
と、観客や視聴者が想像を膨らませている中で、小田さんは歌い始めます。
夜空ノムコウ

あー、SMAPのことか~
と、こんな感じで、
アーティスト名や曲名を明かさずに、エピソードだけを先に話して、いきなり曲に入って、観客や視聴者は曲を聴いて『あ~、この人か~』とやっとわかる
という感じの番組構成でした。
曲名だけはテロップで明かされますが、曲がわからない時や、誰が歌っているのかわからない時は、結局、誰なのか全然わからないという…
今なら、即、「夜空ノムコウ 誰の曲?」とリアルタイムで検索しまくるのでしょうが、2001年はスマホなんてなかった時代ですからね。PCがない人や「これ誰の曲?」と聞ける相手がいない人は、なぞなぞを解いているような、もやっとした気分だったのではないでしょうか。
撮影開始直前の小田さんへのインタビュー
続いて、小田さんがTBSのプロデューサーからインタビューを受けるシーンが流れます。
「この番組に出演して後悔はないですか?」
「ありがたくね…どんなにコケようとも、こんなことが出来て有難かったなと思える日になると思いますね」
と、無難な答えを返しておきながら、本番では、
死んでも後悔なんかしてたまるか!という気持ちで出てきました
と噛みついておられました(。??艸?)ププッ
こういう小田さんへのインタビューシーンや打ち合わせの時の舞台裏の様子が、番組の所々にちょいちょい挟まれます。
続いて2人目のアーティストは…
俳優さんが歌を歌うことに対して、偏見を持っていた小田さんでしたが…
今回7曲選ぶにあたって、資料用につくったMDに彼の曲も入ってました。で、聞いたら、いいんですよ!シンプルで、力強くて。偏見はいけねーなーって、わかりましたね。
その彼から来た手紙を小田さんが紹介します。
小田さんがこの曲を取り上げてくださるということ、感慨深く受け止めました。この曲が今までになく多くの人たちに聴かれ、歌われたという事実、それは若輩者の僕にとって本当に嬉しく、意味ある出来事でした。
そして小田さんからのお誘いでそのことを再認識することになりました。やはりこの楽曲は僕にとってとても大切な存在なのだと、改めて実感しています。
お誘いにお応えする余裕が全くないというのが、今日この頃の僕です。本当に申し訳ありません。残念なお返事を差し上げなくてはならないこと、心苦しく思っております。
一体「彼」とは誰なのか、誰から来た手紙なのか…
ぜんぜんわからないまま、曲の演奏に入ります。
桜坂
あー、偏見を持っていた相手は、福山雅治さんだったのね~( ´艸`)
続いて3人目のアーティストのエピソードに入ります…
この人の歴史を辿ってみると、彼の音楽の世界っていうのは、もう、端から、デビューから完成されてたように思います。みんなは、そのユニークな、ハチャメチャな歌詞に惑わされ…
いつか映画を作りたい!と公言していた小田さんでしたが、言ってるだけでなかなか作らないでいたら、このアーティストに先を越されて、彼に招待されて行った映画の試写会で作品を観て感動し、触発されたようで、その後、ご自分も映画を2本撮ったのだという話をされます。
彼がケツを叩いてくれたんだなと思います。
歌詞がハチャメチャ?映画制作?
もしかして…映画「稲村ジェーン」のあの人?
歌って気持ち良ければどうでもいいじゃんっていう、すさまじい力量をかんじました。なんと言うか、もう、歌い倒して、聴く側をねじ伏せる!これですよ~。音楽の神髄を見るようなものがありますけど。その神髄はなかなか僕には難しいし、それだけの器量はぼくにはないんで、皆さんぜひ協力してください。
勝手にシンドバッド
やっぱり、サザンオールスターズの桑田佳祐さんでした。
小田さんとTBSスタッフの初顔合わせの様子
ここでまた過去の打ち合わせシーンが挟まれます。6月8日に小田さんとTBSスタッフが初めて顔を合わせて打ち合わせを行った時の様子です。
いつもより、ずーとずーと暑い夏だったのに、小田さんと番組スタッフの出会いは、凍り付くような雰囲気でした。小田さんの視線は突き刺すような厳しいものでした。・・・具体的な話には進む気配もありませんでした。
「売れない頃にTVに出て、嫌な思いをいっぱいして、偏見を持っていた」と、以前、吉田拓郎さんの番組で話しておられたのを見たことがありますから、用心深く、様子をうかがっていたのかもしれませんね。
桑田さんの話に戻ります。
桑田さんは、「ウエエ~と適当に歌っているようだけど、歌がうまい!」ということが、今回の企画をやってみてわかったそうです。桑田さんの曲の中で小田さんが一等好きな曲を、もう1曲披露。
真夏の果実
なかなかいい歌だろ?
続いて4人目の人は…
彼女とはレコード会社が同じで、同じレコード会社にいると試聴版と言うのがもらえるんで、初めて聴きましたけど、多分、僕の人生の中で、この形容詞を使うのは初めてじゃないかと。ともかく、彼女のアルバムを聴いた時に、みずみずしい!(この形容詞が)ぴったりの人だったですね。どの曲もキラキラ輝いて。
この頃(1970年代前半)、『名古屋を制する者は日本を制する』というジンクスが業界内であったそうですが、オフコースよりも少し遅れてデビューしたその人は、名古屋のホールでコンサートを開いた時に、1回では客が入りきらず2回に分けて開催したくらい、大人気だったのだとか。
一度だけ、彼女と、財津(和夫さん)もいたんだけど、一緒に曲を書いて、そん時にあーでもない、こーでもないと、いろいろキャッチボールをするわけですけど、自分もいろんな、物を作る作業をやってきましたけど、あん時の彼女ほど、僕が投げた言葉に対して、いつも、予想以上の言葉・アイデアが返ってきて。すげーなって思いましたね。そういう感性の人なんだって。こん中から(彼女のデビューアルバム)、この曲をやってみたいと思います。
3人で一緒に曲を作った!?「今だから」のことだよね、きっと。(※CDになっていません)
ひこうき雲
はい正解。松任谷由実さんは、デビュー直後から売れた方だったんですね。
ここで再び小田さんのインタビューのVTR。
番組作りの途中、思いがけない言葉が飛び出しました。
【小田さんの音楽人生について】
最後の締めの段階に入ってるってこともあって、もっとみんなとやるべきだったんじゃないかと、そこで生まれるものがもっといっぱいあるんじゃないかって、とっても思うから、こんなこともやるようになった訳で。これ以降は、俺は絶対何があっても、誰のどんな小さいことでもやろうと思う訳よ。
舞台の配置を変える間は、小田さんのトークタイムでした。仲良しの松山千春さんが先日の(「LOOKING BACK2」発売記念の無料)トーク&ライブの札幌会場に来てくださって、一緒にステージへ上がった時の様子をお話しされていました。
参考 この千春さんのトークはLIFE-SIZE2001で見れます。超面白いです。
次の曲のエピソードに入ります。
「そいつには手紙も書かなかったし、誘ってないから来ない」という人の曲でしたが、同世代のアーティストに敬意を表するという意味で、歌われたそうです。
こいつが死んじゃったら、こいつの葬式行くだろうなーって。そいで逆に俺が死んじゃったら、俺の葬式来てくれて、周りの人間に、あいつはこーだったとか言うんだろうなーって思うんですよね。
ある時(昔)、そいつと、〇〇とかと一緒に、北海道をドサ回りしている時に、この曲を初めて室蘭で聴いたんですよ。だからこの曲を聴くと、必ずその時の室蘭の風景を思い出します。
春夏秋冬
仲良しの、泉谷しげるさんでした。泉谷しげるさんは、小田さんの映画「緑の街 」にも出てくれて、ノーギャラだったそうです。
ええっ!?ノーギャラ!?
知り合いだとチョットだけ友情出演するってのは聞いたことありますが、泉谷さんの出演シーン、すごく多かったですよ~!!
撮影は何日もあったでしょうし、セリフも多くて(細かく指導されてて)大変だったはずなのに、小田さんのために一肌脱いだって感じなんでしょう。
泉谷さんは見た目通りのとっても太っ腹な、男気のある方なんですね。
続いての曲は、泉谷さんの曲と同じく”7曲の勘定には入っていない曲”で、この番組をやるにあたって、「どんな番組をやってもいいから、この曲だけは歌って欲しい」とTBS側から言われて、歌うのを約束した曲なのだとか。「もう一つの約束」と仰っていました。
オフコースって言いうと、すぐにこの曲っていうイメージがあると思いますけど、僕としてはちょっとオフコースから離れた感じで出来上がった曲かなと言う感じがします。ツアーの最中にリリースした曲だったんですけど、仙台でのコンサートの帰りに、ホテルに向かうタクシーの中で、この曲が掛かりまして、「只今、人気急上昇のこの曲をお届けします」って。「ほ~、人気急上昇か~、ヒットするってことはこういうことか~」と、他人事のように聞いたのをよく覚えてますけど。じゃ、やります。
さよなら
ゲストが誰も来ないことが決まって…
11月2日の打ち合わせ風景のVTR。
秋も深まる頃、ついに良い知らせは1つも届きませんでした。
「この番組の一番のテーマは、誰も出てくれなかったという、それが一番のドラマだと思う。」
「ただ、それでは番組にならないんです。でない、でない、でない、って中で、あ、出ないな~ってとこで、最後にポンと出てくれるっていう、やっぱり番組の作りとしては、どうしてもそこ、あっ!っていうところは絶対欲しいと思うんですね。」とTBSプロデューサー
「誰も出てくれないってことで、俺はそれでも声をかけ続けるよって…」
7人のアーティストの出演が全滅という中で、番組をどう作るか、揉めている感じです。
5人目のアーティストの話に入ります。
“頼んでもいないのに、勝手に順位を付けて知らしてくれる…”という「オリコン」について持論を展開されていました(笑)
じゃあ、そういうのを無視して戦うってのもね、なんか逃げてるようで。僕は数字とか嫌いな方じゃないんで、戦うのが好きなんです。そいう言う土俵に上がってる以上は、頑張っていきたいとは思うんですけど、300万、400万はおろか、500万、700万とか言われると、スイマセン…って感じがしてくるわけですけど、そういう人たちとも戦わなくてはいけない…。800万とか売るんですよ!。その人の曲を取り上げて練習しましたけど、もう、難しくって、どいうメロディなの?って、もう、おじさん降りるよ…みたいなね、そんな…俺の時代はもう終わったかな、もう俺はもう去るべきかなって、そこまで…(会場ざわざわ)冗談ですよ!そいで練習して、歌ってみてわかったけど、さっきユーミンの”みずみずしい”が出ましたけど、いや~、よくこんな詩を、この歳で書くなーと思って。素晴らしいです。で、そのアーティストのパパから返事をもらったので紹介します。
CDを800万枚も売る…パパが返事をしてくる人って誰よ?
「小田さんからの手紙は娘、本人が読まさせていただきました。アーティスト同士がTV番組の企画でも今回のようにクリエイティブな共同作業ができることは、とても好ましいことだと思います。
僕個人としても、小田さんのような素敵な人と、娘が共演させて頂けるという機会を、どうにか本人のためにも実現させたかったのですが、現状では、ほんの少し、無理がありました。
という訳で、今回は辞退しなければならなくなりませんが、この僕たちの事情を理解して頂けると幸せです。」
その後、パパは娘さんであるアーティストを連れて、小田さんのところにあいさつに来られたそうですが、アーティストご本人から「TVで見てますから~」と言われたそうです(笑)
Automatic
宇多田ヒカルさんでした~。手紙はお父様である音楽プロデューサーの宇多田照實さんからのものでした。
参考 宇多田さんは16年の時を経て、「クリスマスの約束2016」でゲスト出演されていましたね。素敵なステージでした。
6人目のアーティストは…
このバンドはですね、デビューした時からなんかかっこよくて、冷めているっているか、クールで、でも底の浅い奴がクールやってると、軽薄なだけなんですけど、こいつらはなかなかかっこよくてですね、いいなーと思ってずっと見てましたけど。既成のものをぶっ壊して前へ進んでいくっていうのが、若い連中のある一つの正しい在り方だとすれば、こいつらはそいう言うやつらだなと、僕は思います。この意志を持って、俺が偉そうに言うことじゃないけど
頑張っていけば絶対残っていくと思います。これからもかっこよくやっていってほしいと思います。
Tomorrow never knows
Mr.Childrenのことでした~
11月下旬の舞台セットの打ち合わせ風景。
模型を作った段階で小田さんからダメ出しが入りました。シンプルなものを希望されていました。
さて、最後の7人目のアーティストです。
さて、みんなも、あいつのことは絶対きらいだってやつがいると思いますけど、僕はわがままだからいっぱいいますよ。若い頃はみんなきらいだったんじゃねーかな。大抵僕の場合は、会うと、「あ、いい奴じゃんこいつ」となっちゃうんですけど。そういうヤツがいっぱいいて、ハウンドドックの大友(康平さん)とか、玉置(浩二さん)とか、徳永(英明さん)とか、みんな大嫌いだったんだけども、逢ったらみんないい奴ですよ。で、その昔、あることがありまして、ふたりは犬猿の仲と言われていました。もう、ごく近い人間に聞くと、あいつは俺に(小田さん)「絶対嫌われてる」って言ってるらしい。俺はもちろん、あいつに嫌われてると思うし。まあ、もう(歳を取って)段々時間も少なくなってきて、こういう機会もないと思ったんで、今回、手紙を書きました。きっと無理に決まってると思いつつ。で、彼からとっても素敵な返事が届きまして、この手紙は僕に対してで書かれたもので、番組に対しての手紙じゃないんだけど、あんまり素敵なんで、みんなに紹介していいか?と本人に聞いたら、OKが出たんで…
小田さんが手紙を読み上げます。(手紙の内容は上で書きましたので省略します)
この手紙をもらったというだけで、大げさなようですけど、僕の人生の中で、この番組をやったっていう価値があると思います。
長い間のわだかまりが解けてよかったです
クリスマス・イブ
ラストは山下達郎さんでした~
きっと、達郎のところにも届くと思います。なんか文句いうかもしれんけど(会場ワハハ…)
収録のコンサート会場になった東京ベイNKホールの下見をした時のVTRが映ります。
このあたりでようやく小田さんとスタッフの心が一つになったのだとか。小田さんは端から誰も出なくても自分一人で歌うつもりでいたけれど、TBS側はなかなかそれに応じられなかった(いろいろ壁があったのでしょう)のが、「ゲストが誰も出なくても小田さん一人で行こう」という気持ちになってくれたことでお互いのコンセプトが一致して、気持ちが楽になったのだとか。
チームになれてよかったです
そしてライブ会場に戻ります。
自分の曲も少しやらないと。
Yes-No
ラブ・ストーリーは突然に
番組のテーマソング「この日のこと」の録音のために集まってくれたアーティストたちに挨拶するVTRが流れます。
むずかしーよー、小田さん
と大友康平さん。
今回は本当に、ややこしい曲を、どうもありがとうございました
と財津和夫さん。
チャゲアスさん、アルフィーの坂崎幸之助さん、鈴木雅之さんなどなど、たくさんのアーティストさんたちが集まってきました。
えー、それではみなさん、わざわざ僕のわがままを聞いていただいて、忙しい中、集まって頂いて本当にありがとうございます。この恩はどうやって返したらいいかっていうのは想像もつきませんけども、素敵な番組を作ってですね、みんなに出てよかった思われるような番組にしたいと思いますので、期待していてください。
でー、もしなんか、今後、来年でも、僕が出てちょっとでもプラスになるようなことがあれば、コーラスでもラジオのゲストでも、何でも呼んでください。必ず行きます。
お前のはもう散々行ったよなー(と、指さした相手はアルフィーの坂崎さんでした~)
君住む街へ
約束するってのは、何となく心躍るもので、約束する時は嬉しいものですけれど、いざその約束を守ろうとすると、なかなか大変です。あの歌も大変だったし、この歌も大変だし、あんな手紙を出した以上は、でもやらなくちゃいけないし、本当に大変ですけど、その約束を果たすと…果たしたかどうかわかりませんけど、さらにおっきな喜びが待っているということを、今回、身をもって体験しました。また、みんなと新しい約束をして、その約束を果たせる日をいつか迎えたいと思います。今日は本当にどうもありがとう。
最後に皆で歌えるようなテーマが欲しいと思って、曲を書きました。出来たらその曲を、アーティストがたくさん集まってきて、歌って欲しいと思って、手紙を書きました。別口で。で今回、これはチャリティーでもなんでもないんで、そんなワガママに乗ってくれる人がいるんだろうかとっても不安だったんですけど、多くの人が来て歌ってくれました。それをVTRにまとめてあるんで、それを見てお別れしましょう。
この日のこと
◆参加アーティスト
- 石原千宝美
- Vlidgo
- 大江千里
- 大友康平
- 岡本真夜
- 加藤いづみ
- 辛島美登里
- 川村結花
- Kiroro
- コブクロ
- SURFACE
- 坂崎幸之助
- 坂本サトル
- 佐藤竹善
- 財津和夫
- 鈴木雅之
- スターダスト☆レビュー
- CHAGE&ASKA
- 山口由子
- 山本潤子
敬称略50音順
◆「この日のこと」歌詞
ずっと woo ずっと 君のことが 気になってた
いつの日か会いたいと 遠くから思っていた
こうして 今日 会えたね 何を言えばいいんだろう
来てくれてありがとう 嬉しかった 震えるくらい
同じ時を生きていた 別々の場所で
聴かせて君の歌を その声で あの歌を
(あの歌を)想いはいつか きっと 届いてくれるんだね
決して忘れない 交した言葉を その笑顔を
今日という この日のことを
(1コーラスのみにしておきます
)
逢えた瞬間を思い浮かべて書いたような歌詞が、ちょっぴり切ないです…
「この日のこと」は長い間、未発表だった曲でしたが、21年後に発売されたアルバムearly summer 2022に、小田さんがお一人で歌うバージョンが収録されました。
early summer 2022(アーリーサマー ニーマルニーニー)
ライブ後の小田さんのインタビュー
(ライブを終えて…)
まあ、とりあえず、こういう形で終われればいいな、っていう想い以上の雰囲気で終われたから、とりあえずホッとして、この時をどれだけ待ったか…。最後は達郎の手紙が、俺は主役の一人だったなって。最初、もらった時から感動したからね、あの手紙は。あれをみんなに伝えたいっていう気持ちと、あの曲と。
(後悔は…)
人情話みたいになるけど、俺の責任において、このライブは盛り上がって終わんなくちゃいけないって…
後悔ってことは、君らにも絶対させる気はなかった。
全ては終わりました。明日への希望と共に。
そしてエンディングで、もう一度アーティストに送った手紙の一部を、斉藤由貴さんのナレーションで読み上げて番組は終わります。
わ~~パチパチ!!!
15年以上前の番組なのに、全く色褪せてなくて素晴らしかったです
以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。