日本旅行の「観る味る北京4日 ハワードジョンソン」というツアーを利用して、初めて北京を訪れた感想と、現地ガイドさんから伺った最近の中国の事情等を記事にしたいと思います。
参考 今回の北京の旅については、高齢者の母と行く北京ツアー旅行 にまとめております。
目次
「観る味る北京4日」ツアーの感想
まずは今回利用したツアーについて。
日本旅行の「観る味る北京4日」ツアーは、価格の割にとても充実したプランだったと感じています。決してチープなケチケチツアーではありませんでした。
ゴージャスな旅を期待している人には合わないかも知れませんが、5つの世界遺産を日本語が話せる専属ガイドさん付きで巡れるのは、かなりのメリットだと思います。
ガイドさんなしで巡っても、あまり知識が入ってきませんからね。
それに、ハワードジョンソンホテルの朝食バイキングはとっても美味しくて、オムレツを1枚1枚焼いてくれるサービスもありました!
始めて中国や北京を訪れる人には、とてもよいツアーだと思います。
1日目 | 午前 | 関空出発 | 機内食 |
午後 | 頤和園(世界遺産) | 「花家怡園」で北京ダック | |
2日目 | 午前 | 万里の長城(世界遺産) | 朝食バイキング |
午後 | 明の十三陵(世界遺産) | 地元田舎料理(普通の中華料理) | |
夜 | 「御香苑」でラムのしゃぶしゃぶ | ||
3日目 | 午前 | 故宮(世界遺産) | 朝食バイキング |
午後 | 天壇公演(世界遺産) | 「金鼎軒」で飲茶料理 | |
夜 | 「御膳飯荘」で宮廷料理?? | ||
4日目 | 午前 | 朝食バイキング | |
午後 | 北京空港出発 | 機内食 |
「観る味る北京4日」ツアーは専属ガイドだった!
このツアーの良い点を挙げると、
- 往復共、ANAの直行便を利用でき、同行者との並び席が確保されていた
- ホテルが予約時点で「ハワードジョンソン パラゴン ホテル 北京」に確約されていた
- 北京にある6つの世界遺産のうちの、5つの観光が付いていた(外れているのは北京原人遺跡)
- ほとんどの食事が付いていたので、お店の心配をしなくてもよかった
- お土産屋や免税店に無理矢理立ち寄ったりしなかった(旅のしおりによれば、1ヶ所は土産物屋に立ち寄ることが条件のようですが、私は自分の希望した茶葉のお店1件だけでした)
- オプショナルツアーを押し付けてこなかった(一応説明だけはありましたが強引さは、なし)
と、これまで参加した格安ツアーに比べて、とても満足度は高かったですが、特に驚いたのは、私と母以外にお客さんがおらず、ガイドさんもドライバーさんも、私たちの専属だったことです!
てっきり、いろんなツアー客が現地で合流する団体ツアーだと思い込んでいましたが(台湾はそれだった)、初日から最終日まで終始、ガイドさんとドライバーさんと私たち親子の4人での行動だったので、他のお客さんに気を遣わなくて済みました。
旅のしおりにも、
添乗員は同行しませんが、日本語を話す現地係員(1グループに専属ガイドが1人)が、1日目北京空港~帰国日北京空港までお世話します。
と書かれていまいた。
その日の体調や、高齢の母に合わせて、スピードも調整してくれましたし、恐らくトイレもいつもより多く立ち寄ってくださったはずです。
また、セブンイレブンに立ち寄ってとか、途中でトイレに行きたいとか、お茶を買いたいとか、わがまま放題言いましたが、快く了承して下さり、無理のないゆったりしたペースで旅をすることが出来ました。
中国の観光地は広いですから、正門から入って裏門から出ると、いつもそこにドライバーさんが待機してくれていて、無駄に歩かずにすみました。気温が高い日だったので、これも大変有難かったです。
要らない荷物も車に置いておけます。
ただ、専属ガイドのような状態であっても、ツアーのコースやメニューは決められていて、勝手に自由には変えられないようでした。
時間が余った時は、わりと自由にすることが許されているのか、希望の場所に連れて行ってくれました。
4日間、自由行動は一切なく、予定がギューギューに詰まっているように見えますが、夕方は早めに終わりましたし、3日目は時間が余ったので、行きたいところがあるなら旅の最初に伝えておけば、うまく時間を調整してくれると思います。
飛行機は14時台でしたが、最終日はどこも寄らずに空港まで行きました。私は、自由時間はないものと考えていたので、行きたいところも思いつかなかったのですが、ちょっともったいないことをしたと思っています。
ガイドさんは中国人のかたでしたが、日本への留学経験もある日本事情に大変詳しい方でしたので、会話に関して一度もストレスを感じることはありませんでした。
日本の最新ニュースもよくご存じで、ちゃんと勉強していらっしゃるのだと感心しました。
こちらのガイドさんは、日本旅行以外にJTBなどのお仕事もされているそうですが、個人でも直接契約できるそうで名刺を頂きました。もし、次回北京に訪れることがあれば、今度はフリープランにして、このガイドさんにお願いして、希望の場所に連れて行ってもらおうと思っています。
「観る味る北京4日」ツアーの残念だった点
ツアーやガイドさんには、それほど不満を感じることはなかったのですが、強いて言えば…
- 「故宮」の観光にもう少し時間をかけたかった
- 食事が中華料理ばかりだったため、飽きてしまい、最後はほとんど食べられなかった
- 「花家怡園」の北京ダックがしょぼくて、期待が大きかった分ショックが大きかった
- 泊まったホテル「ハワードジョンソン」の設備面の不具合が多かった(故障を放置したまま)
くらいでしょうか。
スケールの大きさに圧倒された中国 北京
続いては、中国 北京についての感想や、気を付けると良いことです。
北京の魅力
日本は昔から中国をお手本にしてきましたし、日本にも古い立派な建物はたくさんありますが、中国はスケールが違う!!!とにかく何でもデカい!広い!
とにかく、どこへ行ってもスケール感に圧倒されました。
一昨年訪れた台湾は、毛沢東に負けて北京から逃げた蒋介石が作った国ですから、台湾の建築物も大きくて立派なものが多かったですが、
中国の歴史の重みには絶対に勝てない!
中国の歴史の前では、日本も台湾も到底敵わないことを痛感しました。
台湾にも故宮博物院がありましたが、蒋介石が大陸から逃げる時に、紫禁城の中の価値の高いものばかりを選んで持ち出し、それを展示してあるため、中国の故宮博物院よりも良い品が多いと、台湾のガイドさんが話していました。
しかし、北京のガイドさん曰く、サイズの大きいものは持ち出せなかったので、本当に価値のあるものは中国に残されているのだとか。
どっちのガイドの話が本当かはわかりませんが、たしかなことは、中身(展示品)のことなどどうでもいいと感じてしまうくらい、故宮(紫禁城)にはものすごい威力があったということです。
たとえ中国の故宮に展示してあるものが全て偽物だったとしても、それが本物に見えてしまうほど、紫禁城は本当に素晴らしかったです。
台湾の故宮博物院と北京の故宮博物院(紫禁城)は、両方セットで観なければならないと思いますが、どっちが勝ちか?と問われれば、私は絶対に中国だと断言します!
その他の世界遺産も本当に圧倒される大きさなのです。
万里の長城も素晴らしかった!
北京はレジャーを楽しむ街ではないけれど、歴史好きの人は特に、人生で一度は訪れてたほうが良い都市です。
確かに、中国人のマナーの悪さや、店員のサービス精神のなさに腹が立つこともありましたが、それを差し引いても、思い切って訪れて良かった~と思いました。
中国北京の6月の気候について
私が北京を訪れたのは6月上旬でしたが、すでに38度を超える暑さ!
日差しが強かったので、日傘や日焼け止めは必須です。
観光でたくさん歩きますが、故宮や万里の長城などは、人が多くて危ないため、傘を広げられない場所もありますから、日傘は軽量でコンパクトに畳めるのものがおススメです。
ただ湿度が低いため、日陰に入れば涼しく、あまりベトベトした嫌な汗はかきません。万里の長城に上っても、風があったので脇汗をかいたくらいでした。
北京の6月の服装は?
6月の北京に上着は全く必要ありませんでした。
冷え性の人は、冷房の効いた場所に入る時のために、スカーフやカーディガンがあれば十分です。
私は寒がりですが、4日間半袖でした。
薄手のカーデガンを持ち歩きましたが、観光中は車の中に置いたままで、レストランに入る時だけ持って降りました。
春先は特に、街全体がスモックで霞む日が多く、避けた方が良い時期のようですが、6月でも日によってはPM2.5がひどい日があって、マスクが欠かせない日があるそうです。
春以外の季節でも、マスクは持参しましょう!
気候もよくて、PM2.5も少ないのは10月ごろらしいですが、10月は観光客が最も多くなる時期のため、混雑は覚悟しなければならないそうです。
7月、8月になると毎日40度近い暑さになる上に、夕方になると雷を伴うザーザー振りのスコールが降るのだとか。北京の気候は、結構過酷です。
靴は絶対に履きなれたもので行きましょう。
万里の長城は、スニーカーじゃないと歩けません。ヒールなんてもっての他!転べば大惨事です。
その他の観光地も、広いし、ちょっとした小山を登ったりしますので、おしゃれよりも歩きやすさを重視する履物がよいと思います。
ウェットティッシュは絶対に必要!
最近の日本の飲食店やコンビニでは、おしぼりが出てくるのが当たり前になっていますが、中国では、素手を使って食べる料理の時でも、おしぼりは出てきません!
ウェットティッシュは重宝しますから、必ずバッグに入れておくと良いと思います。
中国 北京の飲み水について
中国の水道水は硬水らしく、軟水になれている日本人はお腹を壊すので、基本飲めません。
「ハワードジョンソン パラゴンホテル北京」には、毎日、人数分のミネラルウォーターが無料で置いてあり、それを持ち歩きました↓。
足りない時は、ホテルの同じビルにスーパーがあったので、そこで購入しましたが、中国では、スーパーやコンビニに置いてあるミネラルウォーターでも、怪しいものがあるそうですから、安さだけで選ばないのが賢明です。
私は、北京空港内の自販機(飛行機を降りて、指紋認証や入国審査ゾーンに行くまでの通路にありました)で購入したものと同じ銘柄のものをスーパーでも買うようにしたところ、お腹を壊す事は無かったです。
自販機は日本ほどあちこちには設置されておらず、世界遺産の敷地内の休憩スペースなどで、たまに見かけました↓。
中国人はミネラルウォーターよりも、お茶を飲む人が多いらしいですが、お茶だと思って買っても、砂糖が入っていて甘いことがあるようです。
ガイドさんに「甘くないお茶はどれか?」と聞いて買ったら、2段目にある「茉莉花茶」は甘くないジャスミンティーでした。普通においしかったです。
中国 北京の入出国について
中国に入国する際には、指紋登録が義務付けされました。↓で詳しくご紹介しています。
中国のトイレ事情
扉なしトイレやニーハオトイレはありませんでした。
今回の旅での中国北京のトイレ事情については↓で紹介しております。
北京で出会った中国の人たちのこと
旅の備えとして情報を提供しておきます。
店員は不愛想
中国は社会主義国ですから、全国民が公務員なのかと思えば、最近は民間企業も多くなってきたので、そんなことはないそうです。
しかし、接客態度は公務員並みで、超不愛想です!お店の店員さんの優しい笑顔など、旅行中、一度も見ることはありませんでした。
ガイドさん曰く、中国ではまだ、売る側が偉いのだと。
“お客様は神様”と考える日本とは大違いですから、中国はこうなんだ…と最初から諦めて期待しない方がいいと思います。
話し声が大きい
中国の人は話し声が大きかったです。「言い争っているの?」と思うくらいです。
お昼のレストランでも、まるで居酒屋のようなレベルです。
確かに人口は多いけど、話す声のトーンも大きい気がしました。
公共の場で、すぐ近くにいる人と、どうしてあんなに大声で話すのか謎です。会話が丸聞こえで恥ずかしくないのでしょうか???
関空から乗った飛行機の乗客も、帰りの飛行機も、ほとんどが中国のパスポートを持っている人でしたから、旅の期間中、ずっと騒々しかったです。
覚悟しておいてください。
割り込み、信号無視が当たり前
空港などで列に並んでいると、いつの間にか割り込まれて、順番を抜かされています。
最初は「ええ?」と驚きましたが、それが普通みたいです。気にしない気にしない。
また、かなり広い道でも信号無視が横行していました。
日本でもちょっとした細い道は信号無視する人もいますが、かなりの大通りでも平気で渡ろうとする人がいて「まじ?危ない!」と思っていると、その人に倣って次々とみんなが渡るので、車の方が止まらざるを得ない状況になることも。
ガイドさんも普通に渡ろうとしていたので、「あ、赤ですよ?」と言ったら、「スミマセン、いつもの癖で」と返されたのには驚きでした
中国では信号無視が日常的みたいです。
車の運転も荒い荒い、ウインカーなしで割り込む割り込む。冷や冷やするので、見ない方がいいと思います。
北京では高級車しか走ってなかったです。車には富裕層しか乗れないってことみたいです。どこへ行くにも大渋滞で、排気ガスがすごかったです。
私が子供の頃に教科書で習った、自転車の中国の面影は全くありませんでした。
という具合で、中国ではいろんなことに圧倒されっぱなしでした~(笑)細かいことは気にしないのが、中国の旅を楽しむコツです!
小田和正さんは中国でも知られていた!
私のスマホの待ち受け画面は、公式モバイル会員がダウンロードできる、小田さんのイラストになっているのですが、ガイドさんがそれを日本のアニメだと勘違いされて、食いついてきました↓。
「これはアニメではなく、好きなアーティストのイラストなんです。小田和正さんって知ってますか?」
と尋ねたところ、少し考えて…
「ラブストーリー??」
と答えてくれました キャーーーー 小田さんは海を越えた中国でも有名人でした。
「ドラマ東京ラブストーリー」は中国でもブームになったそうで、その主題歌であるラブ・ストーリーは突然にも、大ヒットしたのだそうです。
「ほとんどの中国人、この歌知ってます」
ですって!嬉しかったです。
日本からの北京行きツアーが減っている事情
中国側の事情
最後に、いろんな旅行社からたくさんのパックツアーが出ている台湾とは異なり、最近の北京は、あまり日本人には人気がない都市のようで、ツアーを選ぶ際にも、あまり選択肢がなかったというのが正直なところでした。
その辺りのことをガイドさんに伺ったところ、今の中国は、国民がどんどん豊かになってきたことで、地方から北京に訪れる人も増え、国内需要だけで十分潤っているのだとか。
なので、国外からわざわざ観光客を呼ばなくても、ホテルもレストランも儲かっているようで、以前のように特別な特典を付けて、日本から人を呼ぶようなこともしていないそうです。
北京オリンピックの前後はもっと日本人が訪れたようですが、今では日本語が出来ても、パートやアルバイトぐらいの収入しか得られないそうです。
日本人観光客向けのガイドの仕事だけでは一家を支えられない…、と嘆いておられました。
日本側の事情
日本側の事情も、中国人は反日感情が強いため、中国は怖いというイメージを持っている人も多いでしょうし、トイレが不衛生なことや、平気で信号無視をしたりなど、公共でのマナーが全般的にあまりよろしくないなど、中国人に対するイメージもあまり良くないため、食べ歩きやレジャー目的の海外旅行なら、断然、台湾や別の国を選んでしまうのだと思います。
親日で「日本人、もっと来て~」と言ってくださる国があるなら、そちらを選びたくなりますしね。
でもね、北京には台湾にはない「良さ」がありましたから、そんな理由で行かないのはもったいないかな~と。たとえ招かれざる客であっても、中国が嫌いでも、北京には一度くらい行った方が良い!と私は思います。
実は私も、旅の前半は、中国人のマナーとか、接客態度が原因で不機嫌だったのですが、そんなことに囚われて、北京の素晴らしい遺産を楽しむことに集中しないのはもったいない!と、途中から考え方を改めました。
それは国民性の違いであって、決して埋められない溝と割り切ることで、気にならなくなりました。
尖閣諸島問題
ガイドさんに尖閣諸島問題について尋ねてみました。
※ガイドさん個人の意見かもしれませんが…
毛沢東が亡くなり、次の総書記である鄧小平(とうしょうへい)が1972年に日本を訪れ、当時の田中角栄首相と日中首脳会談を行った際に、尖閣諸島については議論をせずに、次世代に託した(あえて曖昧なままにしておいた)はずなのに、石原東京都知事が出て来て、結局日本が国有地にしてしまったことが、中国人の怒りを買ったそうです。
私は、力を付けた中国が、日本の領土を奪おうとしているのだと思っていましたが、ずっと以前から中国も自分の国の領土だと思っていたみたいです。
尖閣諸島は、お互いが自分の国の領土だと思っている、本当に曖昧なグレーゾーンのようですね。どっちの領土かはっきりさせようとすると小競り合いになるので、曖昧な状態のままうまくやっていけるよう話し合いをして欲しいです。
長々と書きましたが、これから中国への旅を検討されている方のご参考になれば幸いです。
観光地を訪れた旅行記やホテル、ツアーに付いていた食事のレビュー記事などは、これから個別にご紹介し、高齢者の母と行く北京ツアー旅行 に更新していきます。
以上最後までお読みいただきましてありがとうございました。